【モデリングtips】顎ボーン導入のススメ

商業モデルでもそうなんですが、モデルによって、
口パクはしても顎は微動だにしないものと、顎ごと口が動くものとあります。
手描きアニメの場合はコスト削減もあるし慣れもあるのか、そんなに気にならないんですが、
個人的に3Dは顎から動くモデルが好きです。

それを簡単にするために、顎ボーン。
あと顔の頂点モーフを作るのが面倒過ぎる。

1. ボーンの置く場所。
顎関節部分。
人間の顎骨が動く場所と同じです。耳の下くらい。
自分の口を動かしながら確認してみてください。

ただしモデルによっては人間の形そのままでない場合(アニメデフォルメ)も多いので、
最終的にはボーンを動かしながら位置を調整するので、「だいたいこのへん」でいいです。
今のところ耳より前に置いてるのは、私のモデリング能力が解剖学的におかしいのか、
デフォルメの問題なのか、口の開き方の好みの問題なのかは良くわからない。
ベディ(右)に至っては、耳の下より上にある。
nnn3597.jpgnnn3598.jpg
試しに右のモデルの顎ボーンを耳の下に持ってきてみたんですが、
どうも顎が前に出るみたいな動きだったのでこの位置に。
X軸は中心に置きます。

表示先はどこでもいいんですが、口に集中させたら分かりづらいと思ったので、
唇よりも下の顎に置いてます。本当どこでもいい。

あと、上顎ボーンも置いてます。
人間の顎は上顎は頭蓋骨と繋がっていて動かないので、正確に言うと上唇ボーン。
下顎だけ動かすと、鼻の下が伸びて見えるので、導入しました。

とりあえず下顎ボーンと同じ位置に置いて、表示先は上唇の上くらいに置いておきます。
最近は上唇はそんな位置から動かないのでは…?と思ってもうちょっと前に置いたりしているので、試行錯誤中。
(右側のベディは下顎ボーンより上顎ボーンの方が前にあります)

正直そんなに細かく位置を気にしなくてもいい。
選択しづらいとかあったらズラしていいです。
ただしこちらもX軸はセンターに。

Pmxに持っていってからでもいいですが、上顎ボーンは回転連動にします。
付与親は下顎ボーン、付与率はマイナス。
どの程度マイナスにするかは、モデルの顔やキャラの雰囲気によって違うので、
これは動かしながらモデルごとに微調整しています。
nnn3603.jpg


2. ウエイトの塗り方
自分の口をパクパクさせて考えよう!(適当に塗ってます、の意)
下顎を丸っと100%で塗って、境目は50%くらい。
大体、顎の骨にあたる部分を塗って、
咬筋(Wikipedia)にあたる部分をなだらかに塗るのがいいんだと思います。
nnn3599.jpg
nnn3602.jpg
この辺もモデルの作りとポリ割によって変わってくるので、おおよそ。

上顎こと上唇は、デフォルトの口の形によるので、ボーンを動かしながら塗ることが多いです。
基本は上唇のセンターが100%、端に行くにつれ25%。
(ただし頭ボーンに100%乗ってる状態の数値なので、正規化すると変わります)
唇にから離れるほどグラデで薄めて行く感じ。
あまり鼻の近くを濃く塗りすぎると、ぐちゃってなるので、薄めに。
nnn3600.jpg
nnn3601.jpg

blenderは動かすオブジェクトのArmatureをこのようにしておくと、
ボーンで動かした状態でウエイト編集・頂点選択編集できるので、
顎を開けた状態で作業すると分かりやすい。
nnn3604.jpg
こういう感じで微調整してたりする。
nnn3605.jpg


3. PmxEでボーンモーフにする。
PmxEのモーフタブで、右クリック→新規モーフ作成→ボーン。
nnn3606.jpg

[+]を押して→一個追加されたら、対象Indexに顎ボーンの番号を入れる
→ボーン回転をX軸-10くらいにする。
上顎は回転連動で動くので、入れなくていい。
開く量はキャラクター性によって違うと思うので、微調整。
nnn3607.jpg
TransformViewでボーンを動かして、そこからボーンモーフを追加してもOK。




4. 歯ボーンも入れる。
付け根は顎ボーンと全く同じ位置に置く。
表示先まで同じにすると分からなくなるので、表示先はズラしておく。
上歯ボーンの親は上顎、下歯ボーンの親は下顎。

歯は全部100%で塗ってOK。
nnn3608.jpg
今まで歯茎は塗ってなかったけど、どっちが便利かはわからない。

歯ボーンがあると、ボーンモーフで口を少しだけ開けて、歯は閉じれば「い」ができます。
あと漫画やアニメ表現でよくある「なんかいい感じに歯が見えてる顔」などの表現に使えるので便利だよ!




最初は以上までをやってみると、楽さが分かると思います。
好きなように口を開けられるので。
うちのモデルは口角にもボーンが入ってるので、下の用に「にやり」モーフも作れます。
「う」も「お」も作れます。
nnn3609.jpg
ただ口角ボーンは、自分で見てもなんでこんなウエイトになってんだ…って感じなんですが。
こっちはもっとキャラの顔やキャラクター性によって動きが違うので、動かしながら微調整していきます。




「あ」「い」「う」「え」「お」「にやり」「ん」がボーンモーフで済むので、
Pmxにエクスポートしたら、モーフにボーンモーフを保存したCSVをぽーんと投げるだけで口パクする!
らく!たのしい!

blenderは頂点にウエイトが乗ってるので、一度顔の素体にウエイトを塗ればそれっぽく動きます。
(近傍頂点ウエイトをコピーしてもOK)

ボーンで表情を制御する利点は、モーフに登録してある動き以外にも、
左右非対称やちょっとした調整をボーンでできたりすることです。

あと二次元の嘘が作れる。
上の図はマーリンの立ち絵っぽい感じに表情を調整しましたが、
正面から見ると下みたいな歪んだ顔になっています。
DKPueERVAAMsmbj.jpg
DKPu0YQUEAAeUrm.jpg
アニメ制作でもよく使われてる正面から見るとヤバイ顔になるやつ。

あと簡単なのは眉毛もボーン制御にすると楽です。
まぶたはちょっとハードルが高いんですが、うまくいけばツリ目タレ目を制御できたり、
まばたきやウインクもボーンモーフにできます。

こういう左右非対称顔も、モーフをわざわざ左右に分割しなくても良いわけです。
nnn3610.jpg

実際は、どうしてもボーンじゃできない表情は頂点モーフで作ってますし、
ボーンと頂点のあわせ技とかもしています。
必ずしも全てボーンでやらなきゃいけないわけじゃないし、可能性が広がるよっていう。

欠点は顔面がボーンまみれになること。遠くから見ると、掴みづらい…。
nnn3611.jpg


なんか思い出したり、質問されたりした場合は追記します。




【モデリングtips】眉毛ボーン導入のススメ →
【モデリングtips】まぶたボーン導入のススメ →

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