時々、物理演算が、バババババババババババババ!!!!!と荒ぶっている動画を見ます。
モデラーからすると丸分かりなんですが、
動画を作ってる人は全然理解ができない、対策が分からないらしいので、
説明&対策を書きます。
全員が全員とても丁寧に動画を作ってくれるのならばいいのですが、
まあそうでもないことが多いので、モデラーとしては配布する際、
多少適当に扱われても、モデルが破綻しないように工夫をしています。
「破綻」というのは色々ありますが、物理演算は、
・スカートやコートから足が突き出している。
・ケープやマントから腕が突き出している。
・髪の毛やマフラーが体に絡まってえらいことになってる。
・不自然な動きをする。
とかなんか破綻じゃないのが混じっていますが、
ともかくモデラーはその辺に気をつけて物理演算を設定しています。
モデラーからすると丸分かりなんですが、
動画を作ってる人は全然理解ができない、対策が分からないらしいので、
説明&対策を書きます。
全員が全員とても丁寧に動画を作ってくれるのならばいいのですが、
まあそうでもないことが多いので、モデラーとしては配布する際、
多少適当に扱われても、モデルが破綻しないように工夫をしています。
「破綻」というのは色々ありますが、物理演算は、
・スカートやコートから足が突き出している。
・ケープやマントから腕が突き出している。
・髪の毛やマフラーが体に絡まってえらいことになってる。
・不自然な動きをする。
とかなんか破綻じゃないのが混じっていますが、
ともかくモデラーはその辺に気をつけて物理演算を設定しています。
まず物理演算の仕組みから説明します。
MMDの物理演算は、剛体とジョイントの2つから出来ています。
ここで気にするべきなのは剛体です。
ジョイントはモデラーとかモデル改造の人が気にしてください。
PMDEを開いて、剛体設定を見た事ある人には分かると思いますが、
動画作ってるだけの人は、PMDE開いたことない人もいるので、そこからです。
剛体というのは、
物理演算の演算をするための見えない、"モノ"です。
箱、球、カプセル状の3種類があります。
この剛体はMMD上でも、物理演算>剛体表示から見ることができます。

剛体にはまず2種類あります。
緑:ボーンに付いてくる剛体
赤:ボーンを動かす剛体
胴体や腕や足、いわゆる「物理演算がついてない」とされるものは、
下図のように、ボーン(ここでは腕ボーン)を上げると腕ボーンにくっついてきます。

これらのボーンは、「物理演算で動かすものが、体に食い込まないため」にあります。
正確には違いますけど、動画作る上では、まあそう思ってて問題ないです。
赤い剛体は物理演算をオンにすると、
モデラー(もしくはセットアッパー)のセットアップした通りに、
物理演算で動き始めます。
この剛体が動くと、それに吊られてボーンが動き、ボーンが動くことによって、
髪の毛やスカートなどのポリゴン(見えるモノ)が動くわけです。
剛体にはまず2種類ある、と言いましたが、それとは別に15種類のグループに分けられています。
その設定画面が下。

「グループ」と「非衝突グループ」です。
これは右側のメリカの裾の剛体です。
裾の剛体は全て「2」に設定してあります。
そして非衝突グループは「2」。
これは、「非衝突グループに設定した剛体とぶつかっても何も起こさない」という意味の設定です。
ここの「非衝突グループ」にチェックが入っていないグループの剛体とぶつかると、
剛体は物理演算設定に従って動きを起こします(干渉する)。
例えば、このメリカは先ほどの「緑」剛体(骨にくっついて動く剛体)は、
全て「1」グループにしてあります。
なので、裾の剛体(2)は、足の剛体(1)に当たると跳ね返ります。
ただし、裾どうしが干渉すると、常に裾がビチビチしてしまうので、
裾の剛体は「2」を非衝突にして、干渉しないようにしているわけです。
これが、「足を広げると裾が広がる仕組み」です。

で、モデラーは通常この「非衝突グループ」設定を、1モデル内では非常に考えます。
手が当たるとスカートがぐちゃぐちゃになるので、手とスカートは干渉しないようにする、とか、
マフラーがコートを貫通すると嫌だから、マフラーとコートは干渉するようにする、とか。
ある程度のダンスには耐えられるように頑張ってます。
でも、激しい動きだと、スカートと足が干渉するようにしてても、突き抜けてしまったりするんですよね。
あとスカートの一部が絡まってしまったり。
あれは、モデラーとしては、モーションを直すなり、出力し直すなりして欲しいです。
で、やたらビチビチしている動画ですが、あれは大体
非表示のモデルが重なっているのが原因です。
場面転換で、このモデルは今は出さないで後から出す、とか、
このシーンではこのモデルは使わないから非表示、とか、よくしている人いると思います。
でも、あれは「ポリゴンが見えなくなってるだけ」で、
元々見えない「剛体」や「ボーン」はそのままそこに残ってるんです。
そして剛体は演算を続けています。

モデラーは、そのモデル内での干渉については気を使っていますが、
他モデルとの干渉については、ほぼ気を使っていません。
例えばこの2キャラの場合、メリカの手には剛体が入ってないので、
ミクの髪に触れてもスカートに触れてもすり抜けるだけです。
しかし、あにまさ式ミクの髪は
左が「5」、非衝突グループ「5,9」、
右が「4」、非衝突グループ「2,4」なので、
腕や足(1)は干渉します。
(ちなみにスカートは「7」、非衝突グループ「1,2,3,4,5,7,9」)
そして、ポリゴンを非表示にしたミクと同じ位置にメリカを重ねると、
こうなるわけです。

非表示でも髪の剛体が、干渉しているのが分かると思います。
これはミクが非表示なので、パッと見問題なさげですが、メリカが非表示だと、
意味もなく髪がビヨビヨしている動画になります。
ちなみに静止画だと分かりづらい、荒ぶる裾。

さらに数モデルを重ねるとこうなっていきます。
設定の違う剛体があればあるほど、干渉しまくりでえらいことになります。

対策は
同じ場所にモデルを置かない。
非表示にしたかったら、絶対に他のモデルが通らない位置に移動させるべきです。
しかし表示させる時に、ものすごい速度で元の位置に戻すと、その移動速度で剛体が動いてしまって、
スカートやコートなどは、足から突き抜けた状態になる可能性があります。
分割出力しようよ!
そのキャラが出る所はそのキャラだけ読み込んで、PMMを作って、
そのキャラが出ない所は、また別にPMMを作って、それぞれavi出力してからくっつけたらいいじゃない!
モデラーとしては、裾がぐるぐるに絡まってるとか、足が突き抜けまくってるとか、
裾がびっちびちしてるのとか、あんまり見たくないんです。
(他のモデラーがどう思ってるかどうかまでは責任が取れません)
足がスカートを貫通するモーションは、足の動きを少なめにするなど直してあげてください。
剛体が絡まったら、全ての親で振って元に戻すとか、
「再生時のみ演算」にしておいてフレームを進めると直ったりします。
ごちゃってなってるけど、突き抜けてるけど、まあいいかーで出さないでもらえると、個人的には嬉しいかな。
だって、できるだけそうならないために結構頑張ってるんだもの。
2013.02.25 追記
分割出力以外にも方法はあるにはあります。
モデルを同じ場所に置くとほぼ確実にババババッてなるので、
どうしても同じ場所に置きたかったら分割出力ですが、
カメラワークでごまかしつつ、ゆっくりと位置をすり替える、という方法があります。
モデルAは最初に表示されているモデルで、これがステージCのセンターで踊っているとします。
モデルBは非表示にしておいて、モーションは流しこんでおきますが、
モデルAの場所とはズラしておきます。
このズラすのは、確実に重ならない(腕やスカートが引っかかる可能性のない)場所に置きます。
この時数値入力でずらします。例えばX=10。
そしてモデルBを表示にするときフレームは
モデルB 表示 ◆◆ って打つと思いますが、これと同じタイミングで、
モデルAを非表示にし、さらにステージの位置とカメラの位置を移動させます。
モデルBはAと相対的にX=10離れているので、
ステージをX=10、カメラもX=10移動させれば、
パッと見、Aが離れていってるように見えます(まあ非表示なんで見えないんですが)。
意味分からんかもしれませんが、やってみると多分分かります。
これでやると一瞬で別モデルになる感じにナルヨ。
MMDの物理演算は、剛体とジョイントの2つから出来ています。
ここで気にするべきなのは剛体です。
ジョイントはモデラーとかモデル改造の人が気にしてください。
PMDEを開いて、剛体設定を見た事ある人には分かると思いますが、
動画作ってるだけの人は、PMDE開いたことない人もいるので、そこからです。
剛体というのは、
物理演算の演算をするための見えない、"モノ"です。
箱、球、カプセル状の3種類があります。
この剛体はMMD上でも、物理演算>剛体表示から見ることができます。

剛体にはまず2種類あります。
緑:ボーンに付いてくる剛体
赤:ボーンを動かす剛体
胴体や腕や足、いわゆる「物理演算がついてない」とされるものは、
下図のように、ボーン(ここでは腕ボーン)を上げると腕ボーンにくっついてきます。

これらのボーンは、「物理演算で動かすものが、体に食い込まないため」にあります。
正確には違いますけど、動画作る上では、まあそう思ってて問題ないです。
赤い剛体は物理演算をオンにすると、
モデラー(もしくはセットアッパー)のセットアップした通りに、
物理演算で動き始めます。
この剛体が動くと、それに吊られてボーンが動き、ボーンが動くことによって、
髪の毛やスカートなどのポリゴン(見えるモノ)が動くわけです。
剛体にはまず2種類ある、と言いましたが、それとは別に15種類のグループに分けられています。
その設定画面が下。

「グループ」と「非衝突グループ」です。
これは右側のメリカの裾の剛体です。
裾の剛体は全て「2」に設定してあります。
そして非衝突グループは「2」。
これは、「非衝突グループに設定した剛体とぶつかっても何も起こさない」という意味の設定です。
ここの「非衝突グループ」にチェックが入っていないグループの剛体とぶつかると、
剛体は物理演算設定に従って動きを起こします(干渉する)。
例えば、このメリカは先ほどの「緑」剛体(骨にくっついて動く剛体)は、
全て「1」グループにしてあります。
なので、裾の剛体(2)は、足の剛体(1)に当たると跳ね返ります。
ただし、裾どうしが干渉すると、常に裾がビチビチしてしまうので、
裾の剛体は「2」を非衝突にして、干渉しないようにしているわけです。
これが、「足を広げると裾が広がる仕組み」です。

で、モデラーは通常この「非衝突グループ」設定を、1モデル内では非常に考えます。
手が当たるとスカートがぐちゃぐちゃになるので、手とスカートは干渉しないようにする、とか、
マフラーがコートを貫通すると嫌だから、マフラーとコートは干渉するようにする、とか。
ある程度のダンスには耐えられるように頑張ってます。
でも、激しい動きだと、スカートと足が干渉するようにしてても、突き抜けてしまったりするんですよね。
あとスカートの一部が絡まってしまったり。
あれは、モデラーとしては、モーションを直すなり、出力し直すなりして欲しいです。
で、やたらビチビチしている動画ですが、あれは大体
非表示のモデルが重なっているのが原因です。
場面転換で、このモデルは今は出さないで後から出す、とか、
このシーンではこのモデルは使わないから非表示、とか、よくしている人いると思います。
でも、あれは「ポリゴンが見えなくなってるだけ」で、
元々見えない「剛体」や「ボーン」はそのままそこに残ってるんです。
そして剛体は演算を続けています。

モデラーは、そのモデル内での干渉については気を使っていますが、
他モデルとの干渉については、ほぼ気を使っていません。
例えばこの2キャラの場合、メリカの手には剛体が入ってないので、
ミクの髪に触れてもスカートに触れてもすり抜けるだけです。
しかし、あにまさ式ミクの髪は
左が「5」、非衝突グループ「5,9」、
右が「4」、非衝突グループ「2,4」なので、
腕や足(1)は干渉します。
(ちなみにスカートは「7」、非衝突グループ「1,2,3,4,5,7,9」)
そして、ポリゴンを非表示にしたミクと同じ位置にメリカを重ねると、
こうなるわけです。

非表示でも髪の剛体が、干渉しているのが分かると思います。
これはミクが非表示なので、パッと見問題なさげですが、メリカが非表示だと、
意味もなく髪がビヨビヨしている動画になります。
ちなみに静止画だと分かりづらい、荒ぶる裾。

さらに数モデルを重ねるとこうなっていきます。
設定の違う剛体があればあるほど、干渉しまくりでえらいことになります。

対策は
同じ場所にモデルを置かない。
非表示にしたかったら、絶対に他のモデルが通らない位置に移動させるべきです。
しかし表示させる時に、ものすごい速度で元の位置に戻すと、その移動速度で剛体が動いてしまって、
スカートやコートなどは、足から突き抜けた状態になる可能性があります。
分割出力しようよ!
そのキャラが出る所はそのキャラだけ読み込んで、PMMを作って、
そのキャラが出ない所は、また別にPMMを作って、それぞれavi出力してからくっつけたらいいじゃない!
モデラーとしては、裾がぐるぐるに絡まってるとか、足が突き抜けまくってるとか、
裾がびっちびちしてるのとか、あんまり見たくないんです。
(他のモデラーがどう思ってるかどうかまでは責任が取れません)
足がスカートを貫通するモーションは、足の動きを少なめにするなど直してあげてください。
剛体が絡まったら、全ての親で振って元に戻すとか、
「再生時のみ演算」にしておいてフレームを進めると直ったりします。
ごちゃってなってるけど、突き抜けてるけど、まあいいかーで出さないでもらえると、個人的には嬉しいかな。
だって、できるだけそうならないために結構頑張ってるんだもの。
2013.02.25 追記
分割出力以外にも方法はあるにはあります。
モデルを同じ場所に置くとほぼ確実にババババッてなるので、
どうしても同じ場所に置きたかったら分割出力ですが、
カメラワークでごまかしつつ、ゆっくりと位置をすり替える、という方法があります。
モデルAは最初に表示されているモデルで、これがステージCのセンターで踊っているとします。
モデルBは非表示にしておいて、モーションは流しこんでおきますが、
モデルAの場所とはズラしておきます。
このズラすのは、確実に重ならない(腕やスカートが引っかかる可能性のない)場所に置きます。
この時数値入力でずらします。例えばX=10。
そしてモデルBを表示にするときフレームは
モデルB 表示 ◆◆ って打つと思いますが、これと同じタイミングで、
モデルAを非表示にし、さらにステージの位置とカメラの位置を移動させます。
モデルBはAと相対的にX=10離れているので、
ステージをX=10、カメラもX=10移動させれば、
パッと見、Aが離れていってるように見えます(まあ非表示なんで見えないんですが)。
意味分からんかもしれませんが、やってみると多分分かります。
これでやると一瞬で別モデルになる感じにナルヨ。